アーユルヴェーダ・ラサヤナハーブに関する Rasa(ラサ)とRakta(ラクタ・ダートゥ)の暗視野顕微鏡的観点
BY INGRID NAIMAN
顕微鏡
暗視野顕微鏡とは、暗い背景に明るい試料が浮かび上がって観察される特殊なコンデンサーです。光の角度を変える事により、微小な物体や透明な物体が可視化され、血液の生成不能という、かんばしくない事実も明らかにします。
筆者らの経験では、血しょうの中には実に豊富な種類の有機及び無機物質が存在しています。アーユルヴェーダの医師や研究者にとって、暗視野顕微鏡は、生きた血液を観察するだけでなく、ラサとラクタ・ダートゥの詳細も観察できる顕微鏡法なのです。
ラサ・ダートゥ
血しょうが、ラクタ・ダートゥのまじりけのない豊富な栄養分の供給源であるべきだということに異存を持つ人はおそらくいないでしょう。これは、私たちが理解するサプタ・ダートゥの基本的な根拠です。アーユールヴェーダの知識と近代科学の理論を一緒にした場合、理想的なコンセプトにはpH バランスがここに含まれます。
暗視や顕微鏡を用いると、血液をまったく興味深い方法で観察することができます。まず、血しょうに多くの問題が潜んでいることは明らかです。これには、寄生虫やスピロヘータのような微生物、酵母菌や糸状菌のような真菌、広範囲な汚染源に由来する有害化学物質薬品や有害な金属、処方薬、飲料水に含まれる添加物、食品に含まれる保存料や化学調味料、水銀、鉛、アルミニウム、放射性粒子などが含まれます。
例えばこれは水銀やアルミニウムによる問題なのかといったように、血しょうを脅かしている原因を正確に同定することは、大抵の観察方法ではほぼ不可能です。しかしたとえば、歯科用アマルガムの有無、ワクチン摂取や、使用している調理器具の種類などを含む詳細な問診から、ほとんどの場合で推測することができます。
イングリッド・ネイマン先生は、血しょう内で様々な種類の寄生虫を観察してきましたが、それらの寄生虫が発生下と思われる地域、そしてその行動によって分類することができます。寄生虫のいくつかは選り好みをし、損傷を受けた、あるいは円鋸歯状の赤血球のみを食べます。寄生虫の中には、目につくものは殆ど何でも食べるものもあります。毒性が強く、赤血球を食べる前に毒を発生する寄生虫もいます。また、赤血球より血小板を好む寄生虫もいます。イングリッド先生が発生場所を特定できるようになったのは、寄生虫学の教科書を熟読し、患者さんに旅行歴や南国の居住歴について質問することから始まりました。このような質問を通して、イングリット先生は、たとえばちょっと変わったべん毛を持つスリランカの寄生虫のように、ある地域特定の寄生虫を特定することができます。
寄生虫は、多様な色彩が存在し、膜には模様がよく見られることが、へびに似ています。多くの場合、駆虫薬で割と簡単に破壊することができますが、一日に何万、何十万個の卵を産む可能性があり一度の治療で感染を完治させることは難しいため、再感染の確率が高くなります。
ここでもまた、血液中にまだ寄生虫が存在してるかどうかを確認するために患者さんの再検査を行うことができるため、暗視野顕微鏡の利点が明らかになります。
ラクタ・ダートゥ
暗視野顕微鏡法で、血液細胞には感覚があるということを結論づけるためには、注意深い観察が強いられます。血液細胞は環境を把握しており、組織構成や指示伝達も可能であり、時には遊ぶことさえあります。また、思考や音に敏感ですが、証明可能な科学の範囲内に留まるとして、私たちは、血液細胞の質や効率性質を暗視野顕微鏡を通して簡単に観察することができます。
赤血球は、7~8ミクロンという均等なサイズであるべきです。小赤血球と大赤血球のようなバリエーションは簡単に認識できますが、細胞膜の電気的穿孔、易感染性脂質構造の損傷、低ゼータ電位、円鋸歯状、変形、栄養失調や、その他多くの潜在的病理状態のような、重篤な状態をあらわしています。
臨床的観察
臨床研究をより突き詰めることの利点は、薬草や錬金術で用いられる物質が素早く血流に投与されたことを確認できるという点です。また、20~30分後に再検査ができるため、治療の過程を正確に観察することができます。
常に再検査を行う事により、マテリア・メディカの無数の物質を深く理解する事ができるだけでなく、観察してきた変化を元に、当研究所プロトコルをいつ修正すべきかを、正確に把握する事ができます。
貧血のように、破滅的な結果を招く可能性を持つ一般的な症状は多くあります。しかし、暗視野顕微鏡法を用いることにより、貧血の根本的な原因を突き止めることができるのです。再度、例を挙げますと、筆者らは、寄生虫や毒性による赤血球欠乏症を目にしてきました。毒性に関しては、いわゆる栄養があると言われている食用キノコでさえも含むキノコの摂取、あるいは重篤な副作用を持つ薬物によるものでした。また、放射線被ばくによる赤血球の死も、これまで目にしてきました。
白血球に関しては、赤血球と比べて非常に脆く、スライド上では2~3分以上も生存できない事がしばしばあります。しかし、ラサ・ダートゥが改善され、白血球に適した栄養素が提供される事により、回復力と寿命が改善され、教本に記述されている寿命を超えることもしばしばです。また、もしも生存に最適なコンディションが維持された場合、これはもちろんラサヤナのプロトコルを使用するということですが、全ての細胞が永遠の生命を宿るようデザインされていると思いを凝らす誘惑に駆られます。
結論
最後に、時間も差し迫ってきましたのでまとめますと、暗視野顕微鏡法の最大の利点の一つは、患者さんのために修正が必要な血液の状態を可視化するために、顕微鏡カメラを外付けモニタ、またはコンピューターに接続できる点です。これは、心身の結びつきを促進するだけでなく、コンプライアンスを改善する傾向を生み出します。これは筆者らが経験してきたことです。患者さんは時々、自分の血液がいかに最適下限であるかを知りショックを受けることがあります。しかし、健康になり、衰弱させる病気を避けるために、変性の可能性を持つ状態を逆戻りさせることに熱心になります。
筆者らは、暗視野顕微鏡法の知見を共有できるこの機会に感謝しています。暗視野顕微鏡法により得られた見識は、患者さんのニーズを理解し、薬草や錬金術に関する物質の素晴らしい性質の理解を深めるための手助けとなっています。
Author:
Dr. Ingrid Naiman is an author and herbalist as well as darkfield microscopist with more than 45 years experience working in clinics. She has her own line of herbs, about 50 web sites, and is the author of Cancer Salves: A Botanical Approach to Treatment. She is the author of the abstract and paper and supplied the images and text for the poster. In addition, she hosts a membership site for researchers called DarkfieldStudies.com. For additional information on the 50-year journey from seeker to author, please read the linked pdf.
Poster Credits:
Design:
Damien Francoeur
Images:
Ingrid Naiman
Photo Credits:
All photomicrographs were taken by Dr. Ingrid Naiman in Orselina, Switzerland, in August 2005 using a Nikon Eclipse 600 microscope and Sony DXC-S500 camera.
Conference:
Second International Conference on Ayurveda, Unani, Siddha and Traditional Medicine, Institute of Indigenous Medicine, Colombo, Sri Lanka, 16-18 December 2014.
Presenter:
Dr. Indunil A. Weerarathne is a Sri Lankan Ayurvedic doctor with degrees in counseling as well as Ayurvedic medicine. She gave the presentation based on this paper at the above-mentioned conference.
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